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ダイエット-『愛しのローズマリー』と昔の私-2003年06月24日(火) |
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Beauty is in the eye of the beholder. 美は見る人の目の中にある。
(英語圏のことわざ・映画の中にも出てきます)
先日、『愛しのローズマリー』(2001年・米)というラブコメディをDVDで見ました。
主人公ハルは、「女は顔と体が良ければ、中身なんてどうでもいい」と公言してはばからない青年です。ある日ハルは、凄腕のセラピストに催眠術をかけられ、どんなにおデブちゃんでもヘチャコちゃんでも絶世の美女にしか見えなくなってしまいます。
そのハルが出会ったのが、知的で心優しいローズマリー。彼女はハルにとってはスリムで美しい女性に見えるのですが、実は体重136キロの外見コンプレックスの女性でした。周りがいぶかしがるのもなんのその、ハルはローズマリーに夢中になるのですが……。
ローズマリーを演じるのは『恋に落ちたシェークスピア』でアカデミー主演女優賞を取ったグウィネス・パルトロウ、監督はキャメロン・ディアス主演で話題になった、『メリーに首ったけ』のファレリー兄弟です。
グウィネス・パルトロウがまた、ものすごーく可愛らしいのです。はにかんだ笑顔や、頭の回転が速そうな演技力など必見です。もちろん、すっころんでパンツ丸見えになるシーンも。
外見についての偏見という難しいテーマを取り上げながら、明るく軽快なコメディに仕上げてあって、ニコニコしながら見られます。また時にはほろりとさせるエピソードもあって、素敵な映画なんですよ。
私はこの映画を、楽しい気分だけでなく、少し別の気持ちを感じながら見ていました。
というのも私は高校生の時、とても太っていた時期があったのです。当時の体重は68キロ。ストレスが原因なのか、数ヶ月でみるみる20キロ以上も太ったのです。
学校で、学生が50セントのスニッカーズを売っていたのを、試しに一度買って食べたのがきっかけです。最初は甘ったるくて、半分も食べられなかったのですが、次の週には1本丸ごと食べられるようになり、また次の週には2本。だんだんやみつきになって、気がつくと1日2ドル分もスニッカーズを食べていたんですね。これじゃあ太るのが当たり前。
太っているときの人間の心理というのは不思議なもので、25キロも太ったのに、ぜんぜん自分では「太った」と思わないんですよね。そりゃあ、体重計にのれば数字的には増えているのですが、鏡を見ても「まだ大丈夫だな」と。まるで痩せて見える魔法の眼鏡をかけているみたいでした。
その魔法が冷めたのは、日本に帰ってから、クラスメートの男の子にぷっと笑われた時です。これはまずい! 痩せなくては!
私はずっと街を歩くのがいやでした。街を歩くとショウウィンドウに自分の姿が映るのが目に入ってしまうからです。何かの本で「18歳は人生で最も美しい季節」というフレーズを読んで、「これが人生最高なの?」と絶望的な気分になりました。
でも太っていた時期は、自分の外見に強烈なコンプレックスを持ったものの、「内面を磨こう」と、一生懸命勉強したり習い事をしたりしていました。
全くモテずに振られてばかりいましたが、「どうせ私なんか」とふてくされず、ニコニコしようとこころがけていました。
思春期の女の子というのは、「いかに可愛くなるか」に血まなこになるものですが、そんな時期を、劣等感を覚えながらもよくポジティブに乗り切ったなあと、自分でも褒めてやりたいと思っています。
私は大学を卒業するまで男性とほとんどお付き合いをしたことがありません。大学に入るころにはもう痩せていて、男の子たちも声をかけてくれるようになったのですが、高校時代の経験が私を慎重にさせていました。
「この人は、太っている私にも同じ事を言うだろうか?」と、浮かれることなく冷静に考えられるようになりました。
私はやっぱり「人間は中身だ」と心から思います。「何を当たり前のことを」と思われるでしょうが、若い頃にそれを実感できるのはとても貴重なことです。男性も女性も永遠に若く美しいままという人はこの世にいないのです。
その後一時期、ダンサーやモデルなどの仕事をしましたし、今は地味にモニタに向かう毎日ですが、セルフポートレートを使ったコラージュ作品サイトを運営しています。昔を思うと不思議な感じもしますが、今でも本を読んだり、PCの技術を身につけたり、習い事をしたりの勉強はかかさず続けています。
もしタイムマシンがあって、昔の自分に何か言えるとしたら、フランスの作家、ポール・ニザンの言葉を伝えたいと思います。悩み多き十代の方が、その後のためにはいいんです。命短し、悩めよ乙女。
「僕は二十歳。けれど、これが人生で一番美しい年だなんて、誰にも言わせはしない」
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映画「愛しのローズマリー」の公式サイトです。
参考文献
京極 夏彦
集英社
2000.2
ベストセラー小説を、すべておデブちゃん関係のパロディにした、暑苦しいギャグ小説。肉満載で、夏読むのはオススメしません。京極夏彦の新境地。あなたもダイエットしたくなる?
「幻想画廊」 (c) Maria Garcia, 2002-2008