中学生麻理の思い出(7)

昔の思い出

 (最終回)文化祭。体育館で私たちのアニメが上映されました。手を打ち、泣くほど笑い、口笛を吹く全校生徒たち。私たちは一週間ばかり、全校の時の人になりました。あれほど苦しい一ヶ月はありませんでした。でもあれほど胸躍る5分間もなかった!

 昔何度か、「学生は楽で(ヒマで)いいよなあ」と大人に言われたことがあります。そんな時思いました。この人は相当想像力が欠如しているか、重度の記憶障害に陥っているに違いないと。

 社会人になって最初に感じたこと。それは、自分で選んだ道で、お金をもらえて、「仕事をしている」という大義名分があって、お疲れ様と言ってもらえるなんて、社会人とはなんといいご身分だろうということ。

 子どもは仕事だけしてればいいって訳じゃありません。自分が望まない教科も勉強して、クラブ活動をして、アルバイトをして、趣味に一生懸命になって、メリメリと音をたてて体を成長させて、とんでもない思いつきに夢中になって、理不尽な大人と闘って、恋をして、悩んで、苦しんで、恥をかいて、発見して、面白がって……一秒だってヒマに生きていません。

 しかも学生の本分である勉強。大人は「勉強しろ」というくせに一方では「社会に出たら勉強なんて役に立たない」「どうせ学歴なんて」と言います。いったい、無報酬で、「おまえのやっていることは無意味だ」と言われ続けて仕事を頑張れる社会人がどれほどいるというのでしょう。

 その後、Yちゃんは子どもの頃からの夢だったナースになり、私はマンガ家にはなれなかったけどデザインの仕事に就きました。仕事で徹夜が続いてヒイコラ言っていると、セーラー服におかっぱ頭の私が亡霊のように現れて「フフン。たいしたことないじゃない」と笑います。

 その小生意気な笑みを見ると、なにくそとファイトが沸いてきます。きっとYちゃんの元にも中学生Yちゃんが現れているんじゃないかな。

 私の家の近くには学校があります。夏休みなのに汗を流しながら部活でグランドを走っている野球部員、暑い中音あわせをしている吹奏楽部員、重いカバンを持って補修授業に出ている受験生。

 みんな頑張れ! がむしゃらに本気で突っ走れ! 「あれを乗り越えられたんだから、こんなの平気」と未来の自分が励まされるはずだから。ま、明後日の方向に突っ走れるのは中坊の特権だしね。(了。長々とおつきあいありがとうございました)

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アンネ・フランクは、アンネの日記を書かなかった。

 そ、そうなの?

2004年 8月 25日(水)

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