発掘のためならエンヤコラ・シュリーマン

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 語学の超人として彼を入れないわけにはいきません。ハインリヒ・シュリーマン。ご存じトロイア遺跡の発掘を成し遂げた人です。少年・少女向けの世界偉人伝には必ず入っていますね。

 1822年、ドイツの小都市に貧しい牧師の子として生まれたシュリーマン。8歳の時に父からもらった世界史の本でトロイア戦争を知りました。当時誰もがトロイアは伝説の都市だと思っていたのに、彼だけは本当に実在したのだと信じて疑いませんでした。

 すべては発掘のため。発掘資金を稼ぐためにはどうしたらいいのか、それは商人として財産を築くしかない。そして商人として大成するには? 誰よりも情報を早く手に入れるべき。ではいち早く情報をキャッチするには?

 それは語学を武器にすることでした。10数カ国語をマスターし、トントン拍子に商売を大きくし、莫大な財産を手に入れたのです。強運と才能と努力で発掘街道を爆走するシュリーマン。その後のトロイア遺跡発掘の大活躍はみなさんご存じの通りですね。本当はロマンあふれる考古学のお話もしたいのですが、今回は彼の語学学習法にしぼってご紹介しましょう。

 シュリーマンの自伝『古代への情熱』には、どのように言葉を学んだのかその方法が書かれています。

・非常に多く音読すること
・決して翻訳しないこと
・毎日一時間をあてること
・つねに興味ある対象について作文を書くこと
・これを教師の指導によって訂正すること
・前日直されたものを暗記して、つぎの時間に暗誦すること

 彼の学習法を要約すると「暗記と暗誦」ですが、他にもこんな面白い学習方法もとっています。「ロシア語の先生がいなかったので、貧乏なユダヤ人を雇って毎日2時間ロシア語の暗誦を聞かせる」というもの。一言もロシア語を知らないユダヤ人を雇うなんて不思議ですね。

 でももし誰もいない部屋でたった一人ロシア語をしゃべったって続かないと思うんです。「お金を払って、人前で練習する」ことがポイント。150年も前なのに、現代の言語習得法と言ってもいいほど、語学のノウハウをずばり言い当てているのはスゴイの一言。

 ロンブ・カトー梅棹忠夫、シュリーマンと3人の語学の超人をご紹介しました。実はこの3人、全員が「語学習得のためになくてはならない重要な要素」を持っているのです。それがあれば、あなたも語学達人になれますよ。はて、それはいったい何でしょう?(つづく)
 


古代への情熱
ハインリヒ シュリーマン
■語学の習得については主に第一章にしか書かれていないが、トロイア遺跡発掘の冒険にわくわくしながら読める。あまりにできすぎて格好良すぎる人生なのでハリウッド映画化は難しいところ。

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2005年 5月 29日(日)

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